郷土歴史覚書之扣

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應傳大和尚の伝説

廿世應傳大和尚(享保八年住職)は、風の神と神通相通ずと伝う。              

時に下川村に風邪流行り村人の死する者病に倒れる者数多し。應傳大和尚は寺内に居乍らにして、村人の風邪に罹る者を知れると。

村人、應傳大和尚に風邪を止められん事を願いに寺へ行くと、應傳大和尚は

「十二月三十一日大晦日の年越しの夜は精進潔斎して神佛に祈願をすべし。能く守らば風邪を止めん」と云々。

その事により下川村に於いては、三十一日の夜は精進にて年を越すと風邪を引かぬと云われ、又應傳大和尚の示寂後應傳和尚の墓に詣でて、墓の苔を取りて其れを煎じて飲めば風邪に効くとも言伝えられている。         

それによって昔は和尚様の墓に詣でる村の人達も居たという。


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苔が風邪に、効くと云われる應傳和尚の墓

 

されど應傳和尚は一年の最後、神佛或いは先祖にた対しこの感謝の心、及び自己反省新たなる年を迎えるに当たりての心構えをさせん為に、風邪の神よりて村人に方便力を以て教えしものにして、正に対機説法と云ふべきか。

 

このように昔から應傳大和尚の伝説は伝えられている。

古文書の文面を手を加えて書いているので、

あしからず。